カテゴリ:お寺での日々 > 感じたこと・思ったこと

$お寺暮らし

3年前に、みなさまの手で植えていただいた参道の紫陽花が、今年も色づきはじめました。
耳を澄ませば、どこかで蛙が鳴いていたり、龍神池の花菖蒲も蕾をつけました。
忙しい日々の中、ふと立ち止まると季節の移ろいを感じます。

自然界に存在するものは咲いても散っても美しい。
朽ちていく姿さえも愛おしい。
それは多分、大きな流れに抗おうともがいていないから。
時を操るなんて誰にもできない。
急いで得したつもりになったって、そんなの一睡の夢。
と、わかっていても夢を見る。
矛盾だらけ、それが人間。


11月は、色々とお誘いいただいて、舞台や音楽会に出向く機会がたくさんあったので、
せっせと着物を着てみました。
着物を着ていると、周囲の対応が変わります。
面白いので、ご紹介しますね。

1.スーパーのレジで精算後、カゴを運んでいただいた。
こんなの妊婦のときと、赤ちゃん連れのとき以来だわ、と感激!!

2.電車に乗ると、小学生の男の子に「どうぞ」と、声をかけられた。
可愛い眼差しにドキドキしましたが、次で乗り換えだったので丁寧にお断りしました。

3.着物&草履で、たったか走ったら、オットット・・・ヨロヨロとこけそうになった。
周囲のおじさま数人が駆け寄ってきて、優しく声をかけられた。
洋服だったらこうはいかなかったに違いない。

ということで、着物を着てると、こんなイイこと(?)があります。
お試しあれ。以上、和装のススメでした。

このところ、素敵な方にお会いする機会をいただくことが多く、
惚れっぽい私は、浮かれ気分の毎日を過ごしています。

その中のおひとり、以前、徳川美術館でお目にかかった時から
すっかりファンになてしまった、りゅうさわあやさん。
私、もともと、ショートカットの女性に弱いのですが、
知性が溢れ出るウィットに富んだお話にすっかり魅了されしまいました。

そんなあやさんに、ひょんなところで再会して、またまたウキウキ、
ご主人とおふたりで翻訳された絵本があると知り、早速購入しました。

『くうきはどこに?』

絵本ですから、すぐに読めてしまいます。
絵本ですから、7歳の末娘とも一緒に楽しめました。

目に見えない空気というものを、子ども達に分かり易く説明してくれています。
つかみどころのない空気というものを感じるちょっとした実験が紹介されていたり、
6畳の広さの部屋に30キロもの重さがの空気があるといった豆知識が紹介されていたり。

大人にとっては、当たり前過ぎて忘れていること、
空気に包まれて暮らしているということを、思い出させてくれる内容でした。

我が家では、家族で回し読み。
科学音痴家族には珍しく、その日の夜は、
空気の話から、重力やビッグバンの話にまで進展して盛り上がりました。
これも、すぐに読み終えることができる絵本ならでは。
子どもが少し成長してからも、こんな楽しみ方ができるのですね。

動物と植物をめぐる空気の循環や、大気と陸や海との空気の循環などについて書かれた
折り込みふろく「空気はめぐる」が、これまた良かったです。

それにしても、あやさん、そしてご主人、やはりステキです。
おふたりの組み合わせって、化学反応を起こして、
思いもよらぬものが、まだまだ生まれてきそうです。

里帰りをしています。


3.11以降、ずっとどこかで気になり続けていた東北のこと。


5か月目にしてやっと仙台入り。


今日は、松島から奥松島、野蒜経由で石巻まで行ってきました。




色々なことが渦巻いてしまって、


何から書き始めればいいのか、見当がつかないのですが、


今日、見てきた光景を少しだけ。




廃墟の前に手向けられた供花。


半分に折れた電柱。


往来する工事車両。


スカスカで、赤枯れしている浜辺の松林。


一見元気を取り戻しているまちの随所にみられる瓦礫の山。


遺体安置所の立て看板や、仮設住宅。


まだそこで暮らしを営んでいる避難所。


時間も空間も、何もかも細切れになっているまち。




何が生と死を分けたのか。


これから、何をしていけばいいのか。


考えても考えても分からないことばかりでした。




日々の暮らし方や、自然との関わり方、原発問題を含めた様々なこと・・・


問題は山積みですが、


とにかく、これからだということです。



まち中を走る、全国の都道府県のナンバープレートを付けた支援隊の車。


笑顔でボランティア活動をする若者たち。


誰よりも元気で温かい被災地の人々・・・


でも、それが全てではないということを踏まえ、


今、何ができるか、何をしなければならないか、


そんなことを考えた一日でした。




頑張ろう!!東北


頑張ろう!!日本


それが口先だけのことにならないようにしなきゃ。




日和山から石巻湾を眺めると、


そこには、流されてしまった家々の跡に、青々と草が生えていていました。


この混沌とした状況をどう受け止め消化していくか。


試されているんだという気がします。






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自然の大きさ逞しさに学ぶ。


逆らわない。諦めない。今がすべてではない。




それにしても…人間は厄介だ。


写真、追々アップします。




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