カテゴリ: つながるかもすプロジェクト

福島キャラバン最終日の11月16日の午後は、
創業300年 自然米100% 純米100% 天然水100%の酒造りをされている金寶酒造仁井田本家さんに伺いました。
2011年に創業300年を迎えられた金寶酒造仁井田本家さんは その年に日本で初めての100%自然米使用の酒蔵となられました。そしてその年に東日本大震災が起きたのです。あれから4年8か月 本当に本当に大変な時期を経て今があるのだそうです。

【金寶自然米栽培田】
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金寶酒造十八代目仁井田穏彦社長と 
仕込みの真っ只中に酒蔵をご案内くださった社員さんのお話をお聞きしながら 
「水」という大切な自然の恵みをいただくために 
山を守る(手をつけない)ことをこれまでの300年間続けてこられた誇りと 
それを次の100年へ繋いでいこうとする心意気を感じました。
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仁井田本家さんでは、全員が酒造りのプロフェッショナルになるべく 
冬は全員で酒造り 夏は全員で米づくり 全員が酒造りのすべてをマスターする努力をされているそうです。
若い社員さんが多いのが印象的でした。
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そして 「日本の田んぼを守る酒造になる」その言葉通り
蔵のある田村町を「山が豊かで きれいな川が流れ 元気な田畑が広がり たくさんの生き物がいて 
良い米や野菜がとれ 人が集う」本物の田舎にしようと 
地域のお仲間とともに様々な試みをされています。

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100%自然米使用の酒蔵になられた仁井田さんの次の夢は「自然米醗酵醸造蔵」になることだそうです。
つながるかもすプロジェクトとしては この言葉の響きを耳にしただけで もうわくわくしてしまします。
詳細は 金寶酒造仁井田本家さんのHPをご覧くださいね。

福島キャラバンのご報告 昨年に続きお邪魔した白河市の蓮笑庵さん。
やはり素敵なところでした。ご報告記事はこれでおしまいです。
長文お付き合いくださりありがとうございました。蓮笑庵さんでのおもいについては→こちら


仁井田本家さんHPは→こちら
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福島入り3日目の11月16日
心と体と地球のための自然食レストラン「銀河のほとり」を出発する前に 
愛知県春日井市のお母さんたちが中心になって小さなひとも一緒に心を込めて仕込まれたお味噌をお渡ししてきました。もちろん梅干しと味噌の中に込められたみなさんの思いとともに。
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朝ごはんと克子さんが入れてくださったコーヒーをいただいて光の中を出発です。
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白河城を眺めながら車を走らせ 
日本最古の公園南湖公園に立ち寄って名物のそばまんじゅうをいただき 
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白河市の仮設住宅(浪江地区)へ向かいました。

昨年に比べお住いの方も少なくなり 来年にはみなさん他所へ移動される計画があるのだとか。

ご当地グルメ浪江焼きそばの話とともに 日々変化する放射線量の話になり 
今でも決して終わってはいない現実を垣間見る時間ともなりました。

次に向かった同じく白河市の仮設住宅(双葉地区)の集会所では 
円座になって手を握り合ってあれこれお話し。
昨年の訪問を覚えていてくださった方々とも話がはずみます。
こちらにも お味噌と梅干し 手作りの雑巾 自宅の庭でとれた柿などを手渡してきました。
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ちょうど前日が一時帰宅の日だったということもあり

今もそのまま残されている双葉町のご自宅の話になり

イノシシやネズミなどの野生動物に侵入されて
荒らされている屋内の様子を笑いながらあっけらかんとお話ししてくださる姿に 
どうお声をかけてよいのか言葉に詰まってしまいました。

そして 避難の際に自宅に置き去りにしてきた猫のはなし。
どんな気持ちでペットたちと別れたのか そして再会を果たしたのか。

様々な別れを経験されている方がある中 その方今 仮設住宅の一角で猫も一緒に暮らされています。
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どれだけ苦しく悔しい思いをしてこられたでしょうに 穏やかに淡々とそれらを語られるのです。 


それでも「誰も口にはしないけど 今も出続けてるんだ」
もしあれに赤い色がついてたら絶対に誰もいかない」

ぽろっとこぼれる言葉と 帰る場所であるふるさとに帰ることができない葛藤をおもうと胸が締め付けられます。


伺ったのが日曜日で在宅の方が少なかったため 
後日今回の福島行きのお世話をしてくださった白河市の絹子さんが 
再度訪問して梅干を味噌を手渡してくださり 
さっそくお味噌汁を作ったよと写真をお送りくださいました。
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すべての人は 自然との関わりや人とのつながりの中で生かされている

人は 決しては弱い存在ではないけれど 
自分の中に大きな矛盾を抱えながら生きていくことは楽なことではないとおもうのです。
だからこそ誰かのちょっとした支えや笑顔が必要なのではないかと。

ずっと忘れないこと。私たちにできることはそのくらいの些細なこと。
それでも こんなちょっとしたつながりを これからも静かに紡いでいければいいなとおもいます。


福島キャラバンご報告⑤
創業300年 2011年に日本で初めて自然米100%使用の酒蔵となられた郡山市の仁井田本家さんへの訪問については→こちら

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11月15日の午後 みんなの畑収穫祭を終えた後は アクアマリンふくしま近辺でしばし休憩。

そこは 賑やかなで買い物客に溢れ新鮮な海産物が並んでいました。

家族連れも多く 生まれたての赤ちゃんを抱っこするお父さんお二人にも出会いました。


その後 雨も上がり青空が広がる小浜海岸へ。
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水平線と傾きかけた太陽にしばし心を奪われマリンタワーへ移動。

マリンタワーからは 津波にさらわれた海岸線を見渡すことができました。

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今では建物も再建され目に見える爪痕は小さくなりつつあるようでしたが 
少し目を移すと無機質な防潮堤が伸び 公園内には線量計が静かに佇んでいました。

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うつくしい日常の中にある 目に見えない爪痕。

見えないからこそ 忘れてはならないもの。


夜にはいわきの国宝「白水阿弥陀堂」へ。

平安時代に鎮魂の祈りを込めて建てられた白水阿弥陀堂は 
震災後は復興のシンボルとしていわき市民に愛されているということです。
廃食油を燃料に走り、発電も出来る電力供給車 おてんとSUN企業組合の「おてんと号」が供給する自然エネルギーだけを使った電力で紅葉のライトアップがされていました。
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 晩秋の空には星がきらめき 雨に洗われライトアップされた紅葉が やさしくそよいでいました。

そして宿泊は昨年に続き銀河のほとり。
震災時の支援・避難の拠点となった自然食レストラン銀河のほとりの克子さんのもとには今でも全国から人々が集まっています。
到着が遅くなりご心配をおかけしてしまいましたが 温かく出迎えてくださり本当にありがとうございました。

流れ星の流れる夜 こたつを囲んでのひととき。

この日こそは早くに寝ようと 誰もが決めていたはずなのに 思わぬつながりが発覚したり 楽しい会話が続きやはり夜中まで語らいのとき 同じ方向を向いて歩いている人たちとの時間は瞬く間にすぎました。
人は必ずどこかで繋がっている そんなことを思う夜でした

福島キャラバンご報告④ 白河市の仮設住宅(浪江町 双葉町)訪問は→こちら
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11月15日(日) 館山ロッジを出発後 
いわき市で開催されていたふくしまオーガニックコットンプロジェクト
みんなのはたけ収穫祭」に参加させていただきました。
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雨により小名浜上神白団地応急仮設住宅内での開催だったため
綿花の収穫作業は中止になりましたが 
簡易石窯で焼いた焼きたてのピザや豚汁 おにぎりや漬物などを
集まられた地元の方々と共にいただき 
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オーガニックコットンの収穫後からの作業体験もさせていただきました。
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我々が何気なくまとっている衣類が出来上がるまでには 大変な労力と時間がかかるのですね。

ふくしまオーガニックコットンプロジェクトでは 様々な地域から協力者を募り綿花の栽培や収穫 その他の作業をされているそうです。

それぞれ背景も立場も違う人々が同じ場で作業をすることで軋轢が生じることもあるけれど 
同じ方向を見て 手を使い共に体を動かすことで新しい関係性も築けてきているとのことでした。

 
 

浪江町出身のシンガーソングライター牛来美佳さんの美しい歌声は美しく強く 
癒えない悲しみを抱えながらも前を向いて歩いているそんな人たちの心の声がこめられていました。
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 「忘れないで」 
そう。私たちは 4年8か月前に起きた東日本大震災と原発事故のこと 
そしてそれが今もまだ続いているということを忘れないために
梅干や味噌をもって福島を巡るのだということをあらためておもう時にもなりました。

「みんなの畑収穫祭」というハレの日に 
福島に根を張り力強く生きている方々とお会いする機会をいただいて
こちらが元気をいただきました。

「ばらばらになった地域の絆を編み直す」オーガニックコットンプロジェクト。
編みあがる大きな布に何らかの彩を添える一本の糸でありたいです。

ふくしまオーガニックコットンプロジェクトHPはこちら

最後に 浪江町出身の午来 美佳さんからのメッセージをご紹介します。
(「いつかまた浪江の空を」projectHPより)

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今、目の前にあるごく当たり前に過ぎないこと・・・突然に奪われ、それでも生き続けている私たちがいることを、どうか、「忘れないで」​

  

2011.3.11-東日本大震災。​

 私は福島県浪江町で生まれ育ち、震災時も一人娘とあの町で暮らしていた。後に発生した原発事故により余儀なくされた避難指示。​

そして今も終止のメドがつかず続いている避難生活がある。​

一時帰宅と題して自分の町に自由に帰ることが出来ず、許可制の時間制限で入る現実。ある日、 久々に帰り歩いた浪江町。慣れ浸しんだ近所を歩いても、​

 誰も居ない…誰ひとりとして居ない…。私が住んでいた証を必死で探すかのように、この瞬間を感じて町中を歩く。​

「どうしてこうなってしまったのだろう…」とかそんな事よりも、この現実が突き刺さり、 この目の前に今の浪江町を焼き付けることだけを感じた。​

ただ…ただ、 悔しいな、って想った。時が経てば経つほどに癒されるモノではなく、時が経てば経つほどに葛藤が増してく…。​

時間も止まらない、時が戻ることもない、ただ進んで行くことしかない…。​

いつも言っていた、「何も変わっていないあの日のまま…」それは私たちの心の奥底にある想いの表現なんです。​

あの日のままこの3年7ヶ月余りも放置された住処は、誰も居ない町は、草たちは大人の背丈を優に超えるほどに強く逞しく伸び続け、​

本震で傾き辛うじて建っていた建物は更に脆くなり雨風すら凌げずに、日に日に老朽化して行く勢いを止めることが出来ません。​

「この想い、どうしたら、伝わるんだろう…どうすれば、伝わるんだろう。」​

何度も何度も写真や映像に収めても1/1000も伝わらない肉眼の有様をこの身体で知らされて来た。​

再び溢れては、どうしようもなく葛藤する想いが湧き上がり心が止まってしまいそうだった。​

実家と私が住んでいたアパートは800mという近い距離なのに、私のアパートに着き車から降り、 階段を昇った所で、「ピーピーピー」っと線量計が鳴った。​

この境界線が実際に目には見えなく… でも果たしてそこを境目と言っていいものなのか…とても複雑な心境がまた心に何かを思わせた。​
今回浪江の町に来て、改めて「私の伝えたい''想い''がここにある」 そう強く思った。​

ねぇ、東日本大震災。あれは現実でしょう?​

甚大な被害が東北を中心に襲い、まして福島では原発事故が起きた。​

自分の住処に入ることすら出来なくなる。今まで何ともないごく普通の日常が、一瞬にして奪われることがここで起こった。本当にこれが現実なんです。​

 

どうか、忘れないで。                                                      
浪江町出身シンガー 牛来美佳

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「いつかまた浪江の空を」Project HPはこちら
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福島キャラバンご報告③ いわき市 アクアマリンふくしま マリンタワー 白水阿弥陀堂は→こちら

平田寺を拠点に活動している「つながるかもすプロジェクト」
手作りの味噌と梅干を東北にお届けすることによって 
東北と愛知 今と未来をつなぐ活動をしています。
年間を通して 梅干や味噌を作ったり マルシェに出店したりしながら 
今 私たちに何ができるのかを考えています。

今年も手作りの味噌と梅干を手土産に福島を訪れ 
現地で暮らしている方々との時間を過ごしてきました。


11月14日(土)にお寺を出発し 2泊3日の旅程で 矢祭 いわき 須賀川 白河 郡山 田村を巡りました。

11月14日の朝は 恵みの雨。
何人もの方々の想いと手を経て出来上がった味噌や梅干しを積み込んで お寺を出発しました。
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早朝も関わらず昨年のキャラバンに同行した三輪さんと奥さまが見送りにいらして
昨年に続き参加のメンバー 今年初めてご一緒するメンバー 
年齢も職業も住まいも違う仲間とともに 梅干や味噌作りに参加された方々 遠くから思いを届けてくださった方の想いも携えて初日の目的地矢祭町に向かいました。



矢祭町中央公民館・矢祭もったいない図書館では、
矢祭町にお住いの押田さんがお支度くださった交流会。
輪になって 手を添えあって それぞれのぬくもりを感じ からだのこりをほぐし語らうとき。
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その後は 今回の旅の支度をしてくださった福島県在住の方々と夕食やお風呂もご一緒させていただき 次の日から旅程に備えました。
お風呂やお食事をご一緒すると ぐっと距離感が縮まりますね。
偶然に温泉で再会した地元の酒屋さんも交えて一枚
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宿泊先の館山ロッジでは 愛知からの後発組とも合流。
様々な想いを織りなす時を過ごしました。
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次の日はいわき市で開催された ふくしまオーガニックコットンプロジェクト「みんなのはたけ収穫祭」
つながるかもすプロジェクトの普段の活動については
facebookページ「つながるかもすプロジェクト」をご覧ください。

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