2008年10月

先週末2日間にわたって行なわれた結制法要が終りました。

大きな法要といえば、差定(さじょう・プログラム)を組んだり、

配役を考えたりという法要そのものの準備(←これはもちろん住職のしごと)の外に

お食事や引き物の手配やお茶とお菓子の選定、

お軸や茶碗の取り合わせに、床の間のお花・・・

会場の掃除や準備に、仏さまのこと(霊供膳や供花・お供え物の準備)。

何につけても不慣れな私は、色々な方の色々なアドバイスやお力添えをいただきながら、

半分神頼み、いや仏頼みで当日を迎えました。

蓋を開けてみれば、またまたたくさんの方に助けていただいて

温かいお言葉たくさんいただいて、静かな感動がたくさんありました。



この数週間は、お手伝いの方々や衣屋さん、お香屋さん、

会場設営をしてくださった業者さんや花屋さん、ついでに水漏れ修理の水道工事やさん、

打合せや馴らし(式当日の法要の流れのリハーサル)のためにいらっしゃるお坊さま方・・・

いつもに増して人の出入が多い我が家でした。

そんな中で気づいたことがたくさんありました。

そのひとつが、私は寺の嫁向きかもしれないいうこと。

もうひとつが、寺の嫁として何も知らないということ。



人が集まることが大好きで、こどもが数人増えていても、

窓のすぐ外で、おばあちゃん達が長らく立ち話をしていてもそれほど気になりませんし、

来客や電話が多く、すぐそこを人が行き交っている状況をそれなりに楽しんでいます。

さすがに食事中に知らないおじさんが、ぬ~っとリビングに現れた時には驚きましたが、

一般の家庭に比べ、プライベートが少ないお寺という場所で暮らすことが、

あまり苦にならないタイプのようです。



もともと(というか本来は今も)お寺は、個人の所有物ではないですから、

それがお寺のあり方だと思っています。

ただそれだけでは、片手落ちというか、

今回の法要を経験したことで、 お寺が受け継いできた部分をもっと意識していきたいと思ったのです。

新しいものも古くから続いてきたものも、

どちらも大切にしていきたいと改めて思ったのでした。



ところで肝心の当日は、寺族席にとにかく座っているというお役をいただいたので、

法要中は、観劇気分でした。

ちょっと前の映画ですが、本木雅弘主演の「ファンシィダンス」の中で

最後に主演の本木雅弘が首座として他の雲水たちと禅問答を繰り広げるのが発戦式(ほっせんしき)です。

その禅問答のやり取りを生で聞くのは、なかなかの迫力でした。

その他にも、お坊さんや参詣のみなさんでお茶とお菓子をいただく儀式や、

土地の神さまにご挨拶する儀式などなど・・・

どれも興味深いものばかりでした。

後席で、ご挨拶に廻った同年代のお坊さまがたに、

お寺の大きな法要は一般公開するべきだ、と力説して引かれてしまいましたけれど(笑)

面白いものは、面白いですから!



今週末は、境内の池にお祀りされている龍神さまの大祭と恩田の集いがあります。

再来週は、土地の氏神さまのお祭りです。

法要の秋が済み、祭りの秋そしてスポーツの秋!です。

大好きな季節が始まりました。



このひと月、道元忌、得度式、結制法要と

こちらのブログでは、あまりご紹介していない

お寺のもうひとつの顔である大切な行事が続いていました。

詳細は、後日ブログにもUPいたしますね。

 

さてさて法要の秋が終れば、祭りの秋です。

今週末は、当寺にお祀りされている黒池龍神さまの大祭

そして10月恩田の集いを開催します。

 

【黒池龍神大祭】10月12日() 

ご祈祷  9:30~ 13:30~

ご祈祷料 金2,000円(幟旗を奉納される方は金3,000円)

後日お焚き上げいたしますので、古札をご持参ください。

 

【恩田の集い】10月12日() 

10:30~11:30  伝統楊式太極拳

お申し込みは不要ですので、お気軽にご参加ください。

 

13:30~17:00 蝶のストラップ作り

(講師 サロン・アイ・アンド・エム 伊藤美代子さん)

好きな色のビーズで蝶のストラップ作りをします。

小さなお子さんでも作れるブレスレットなどの準備もしていますので、

年齢を問わず楽しんでいただけます。

小学生未満の方は、保護者同伴でご参加ください。

今回は、講師の方のご厚意により、材料費・参加費はいただきません。

ストラップ作りは準備の都合上、事前にお申し込みください。

 

お申し込み・お問い合わせは平田寺まで。




曹洞宗の一僧侶がお寺の住職となるためには、決められた過程を行なうことが必要です。

先ずは得度(とくど)。

師匠である住職に僧名をもらい、その弟子になります。

 

その後修行を重ね、修行僧の集団の中で首座(しゅそ)をつとめます。

首座は修行期間のはじめに、他の雲水たちと

禅問答を繰り広げる法戦式(ほっせんしき)といわれる儀式を行ないます。

これが第一の出世である立職(りっしょく)

 

これが済むと、師匠から嗣法(しほう)という儀式を受け、

次は瑞世(ずいせ)です。

 

瑞世とは、本山である永平寺(えいへいじ)と總持寺(そうじじ)に拝登し、

一晩住職をつとめるという儀式、第2の出世転衣(てんえ)です。

瑞世を終えると、それまでの墨染めのお袈裟から、

色つきのお袈裟をつける資格を得、 和尚と呼ばれるようになるそうです

 

第3の出世は、建法幢(けんぽうどう))といい結制修行を行ないます。

多くの修行僧を指導して、仏法の旗じるしを建て結制修行を行なうと、

大和尚の位に進み、はじめて色のついた法衣を着用できるようになります。

 

結制とは、結集の〈結〉と制度の〈制〉とを熟語にしてできたもので、

もともとは、お釈迦さまが定められた制度や制約に従い、

大勢の修行僧が一ヶ所に結集(けつじゅう)することを指していました。

インドで雨が降り続く雨季に、お釈迦さまが、精舎(お寺)にこもり修行したのがそのはじまりです。

中国を経て日本に伝わり、現在では禅宗が伝え行っているそうです。 

 

ちなみに新しい住職がお寺に入る儀式を晋山式(しんさんしき)といい、

今では結制晋山晋山結制として同時に行なうことが一般的のようですが、

今回は夫の意向で、結制の法要のみを行うことになりました。

 

さてさて・・・ココまでお読みくださった方々、お分かりになりましたか?

自分で頭の中を整理する為にちょっとまとめてみました。

 

お寺の言葉というのは、読み方も意味も独特で、

キーボードを打ってもなかなか変換できないものが多いのですね~

本当は、ひとつひとつの過程には様々な意味があって、

もっともっと興味深いものなのですが・・・う~ん

私の知識と言うか、受け売りではどうにも説明がつかぬ。

いずれ何かのカタチで、お伝えできればと思います。

 

ただでさえ慌しいのに、毎日のように夫にアレコレしつこく尋ね、

鬱陶しがられています(笑)。

 

何はともあれ、 先月の息子の得度式に続き、今週末の結制。

このところ、お寺にとっても住職にとっても

大切な法要が続いているのでした。

結制法要は、晋山結制に比べ随分簡略化した法要のようですが、

2日間で延べ60人近くのお坊さまと大勢のお参りの方がいらっしゃるというのに

裏方接待部隊は、こんなことしていて大丈夫なんだろうか・・・

と久々にブログを更新しながら思うのでした。

気分転換も必要だからねっウィンク




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